ネスレ介護配転事件、最高裁決定について「声明文」
2008年4月20日
声 明 文
ネスレ争議対策会議
全 労 連
茨城労連
東京地評
静岡県評
兵庫労連
ネッスル日本労組
最高裁判所は4月18日「ネスレ遠隔地配転事件」について会社側の上告を不受理とする決定を下しました。
神戸地裁姫路支部判決(2005年5月9日)、大阪高裁判決(2006年4月14日)で出されていた家族の介護が必要な二人の労働者への「転勤命令の無効」が確定しました。
高齢化が進み介護が必要な家族が増え大きな社会問題になっている現在、これからの日本社会のあり方に大きな影響を与える決定です。 日本政府もILO156号条約の批准や育児や介護が必要な家族を持つ労働者の配転について企業に配慮義務を定めた育児介護休業法の制定といった介護の社会化を進めています。
神戸地裁姫路支部判決、大阪高裁判決につづく最高裁決定はこのような時代の要請にこたえた意義のあるものです。家族の介護や育児の必要な労働者への遠隔地配転に大きな歯止めとなる画期的なものであり、介護が必要な家族を持ち「配転」の不安に悩む全国の労働者にとって安心と勇気を与えるものです。
ネスレ社は高収益をあげているにもかかわらず、より一層の利益拡大をねらって兵庫県姫路工場のギフトボックス製造職場の外注化を一方的に決定し、そこに働く60名全員に茨城県霞ヶ浦工場への配転を押し付け、これにより50名もの従業員を退職に追いやりました。家族に要介護者を持ち転勤も単身赴任もできない青田さん・上月さんが「介護をつづけるために」「家族が生きていくために」姫路工場内で仕事を求めたたたかいでした
青田、上月両氏は労働組合の仲間や地域の人々に支えられながら4年10ヶ月もの間一日も欠かすことなくネスレ姫路工場に出勤して就労させることを求めてきました。
ネスレ社は二人に対して働かせることなく、多いときには100名以上の社員を工場ゲート付近に配置して「帰れ」「何しに来とるんや」「カスミへいったらええんや」「迷惑や」などとこれまで同じ事業所で働いてきた従業員が耐えがたい言葉を浴びせました。さらにゲートの外にある駐車場まで作業服を着たまま出てきて二人の車を取り囲んでの嫌がらせを続けました。ネスレ社は最高裁決定を真摯に受け止め青田さん上月さんを直ちに職場に戻すべきです。
世界最大の食品企業ネスレS.A.の日本法人であるネスレ日本は年間100億円以上もの純利益を上げ続ける企業です。ネスレS.A.は表向きにはОECD「多国籍企業ガイドライン」や国連の「グローバルコンパクト」などを「経営原則」に書き込みながら、日本では25年以上にわたって労働組合弾圧をつづけ、組合員に対する暴力や差別・人権侵害を繰り返してきました。これまで裁判所や労働委員会から90件以上の判決や命令が出され、最高裁の判決・決定も三度目になります。
この企業体質は昨年、国会でも取り上げられています。ネスレ社は最高裁判所で不当解雇が断罪されたにもかかわらず霞ヶ浦工場に職場復帰した一人を退職に追い込み、さらにもう一人を工場内で40名もの社員が取り囲み「人権侵害」を続け退職を迫っています。
私たちが申し立てた件でОECD日本政府連絡窓口(NCP)は「初期評価」を下し「ネスレ争議の解決のため尽力する」と表明してネスレ社に対して話し合いに応ずるよう働きかけています。
CSR(企業の社会的責任)が強く求められている今、ネスレ社は最高裁で三度も断罪されるといったきわめて異常な労務政策をあらため、ネスレ争議を解決したうえで失った信頼を取り戻す道を歩むことが求められています。

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