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2008年5月23日 (金)

ネスレとエンロン

「なぜ巨大企業はウソをついたのか」

-エンロンが見せた虚像と実像-D478c4f7_3

IBMを抜き、全米優良企業のベスト7位に選ばれたほどの巨大企業に成長したエンロン。しかし、電気・ガス・水道などのエネルギー産業の発展という理想のウラには、投資家だけではなく、政界や国民をも巻き込んだ大きなからくりがあった。資金を作り出す為に新たな会社を作り、その会社を存続させる為に株価を安定させ、その株価を維持する為に数字を操作し続けるという、他社からは見えないブラックホールが存在した。今年の2月に刊行された「なぜ巨大企業はウソをついたのか」は、その手口をかなり明らかにして興味が尽きない。

21世紀に入って直ぐに、エンロンという巨大企業が突如として粉飾決算にまみれて崩壊した衝撃はいまだに大きいものがあります。

どのような巨大企業でも、その内部が腐敗していれば、一夜にして転落劇を転げ落ちるのは、わが国でもライブドア事件でも記憶に新しい所です。

「なぜ巨大企業はウソをついたのか。」を読んでいて、世界最大の食品企業として君臨するネスレの前途を危ぶまずにはおれませんでした。

エンロンでは、株価を吊り上げる為に様々な手法を駆使して法の目をくぐろうとしましたが、結局

司直の手におちました。元CFOのファストウは背任を認め、10年の禁固刑の判決を受けます。また元会長のレイは詐欺罪で起訴され、30人の元重役たちの仲間入りをして、2006年からの裁判中です。

また、2005年にエンロンは電力価格の操作疑惑について、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州に対して総額で15億2000万ドルを支払うことで和解しました。もっとも、破産したエンロンにどれだけ支払えるかは疑問ですが。

2001年に破綻したエンロンの負債額は634億ドルは当時の最高額、しかし翌年には1038億ドルで米国通信会社ワールドコムが破綻。またヨーロッパでは2003年イタリアの大手食品会社パルマラットが40億ユーロ(薬2兆円)の負債を抱えて破綻しています。パルマラットは、サッカーの中田英寿ぎ選手が2001年から所属していたパロマACの親会社です。実際この倒産で中田選手は2004年からボローニャFCへ遺跡を余儀なくされました。

2005年パルマラットの破綻を受けたヨーロッパ議会は、企業と会計士の癒着にメスを入れ、同一の会計士が同一企業の会計監査を7年以上担当することを禁じ、また会計事務所による会計監査以外の業務の禁止などを柱とする法案を採択しました。米国でも同様に2002年にサーベイズ・オックスリー企業改革法で成立しています。

会計士を巻き込んだ事件はわが国でも、2005年東京地検特捜部の強制捜査が執行されたカネボウの事例を出すまでもなく重要です。

エンロンの場合、会計監査を担当していたアーサー・アンダーセンは法の執行を妨害したとして有罪判決を受け、国際的な会計事務所の最大手だったアーサー・アンダーセンも破綻します。

粉飾決算を背景に、巨大企業が次々と破綻していった2000年代初めは、20世紀的な「株式会社」神話が崩壊を始めた時代であるともいわれています。規模と量を最大化するための企業形態であった「株式会社」に矛盾が生じているという見方です。

「エンロンの衝撃」(NHK出版)はその最後のページで、大企業は強い、大企業は正しいといった「大企業神話」や「大企業信仰」を、打破する所から会社変革は始まる。エンロンやワールドコムの事件が我々に与えてくれた教訓はこれであると結んでします。

しかし、いまだに「大企業神話」にしがみついている人々が多く居るのも現実です。

大企業のやっていることでも、自分の目で見て、客観的に判断する。この基本的な視点がやはり大事なのではないでしょうか。

エンロンの事件は経済事件ではなく、エンロンという非現実性が詐欺を起こした事件。

経済の効率性をつきつめていった時に陥ったひとつの現実と言えるかも知れません。

その他エンロン関係では;

エンロン - Wikipedia

エンロン事件に学ぶコーポレートガバナンスの課題

http://www.rieti.go.jp/jp/papers/journal/0211/bs01.html

映画もあります。

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?

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